藍井エイル「ゆらり」「JUMP!!!」「幻影」:エモーショナルなロック・ソングを通して、心に刺さる美しいメロディ

fujiokashinya
3 min readMay 25, 2020

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Eir Aoi

藍井エイル『D’AZUR』は、2015年にリリースされた3枚目のオリジナル・アルバムです。代表曲の「IGNITE」をはじめとして「ラピスラズリ」や「ツナガルオモイ」といった、近年のライブでも頻繁に演奏されるシングルが収録されています。

アルバムだけに収録された曲もシングル・カットされた曲に負けず劣らず素晴らしい。とりわけ僕は「ゆらり」「JUMP!!!」「幻影」が好きで、この3曲をプレイリストで並べて聴いています。いずれの曲も僕は、初めて参加したライブ〈Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 “D’AZUR-EST” FINALE〉で一度聴いた限りですが、機会があればまたセット・リストに名を連ねてもらいたいものです。

D’AZUR album trailer

ギターとオルガンが全体を引っ張るアレンジが格好良い「ゆらり」。分厚いロック・サウンドのなかで歌声がまっすぐに響き、メロディが聴き手に届きます。特にインパクトが大きいのは、サビ頭の ♪まだゆらり ゆらゆらら 揺れているよ♪ という部分です。このメロディには、サビの後半に向けた盛り上がりを後押しする力があります。そして間奏後のサビでは一段と強く、エモーショナルに響く。心にぐるぐると巻かれた鎖を断ち切るような開放感を抱きながら、曲の終わりを迎えます。

明るく爽やかな音がストレートに響き、その軽快さが心地好いポップ・ロック。「JUMP!!!」では、音に乗る歌声も伸びやかで、楽しそうにメロディを操っています。爽やかに吹き抜ける初夏の風という感じでしょうか。そのなかでも特に印象的なのが、Bメロで ♪もっと♪、♪きっと♪、♪ずっと♪ と歌う、ポップで跳ねた感じのメロディです。この部分があることで曲の流れが変わり、ぐっと引き込まれます。ささやかではありますが、僕にとっては大事なポイントであり、この曲を第一印象で好きになった理由でもあります。

オルタナティヴ・ロックの雰囲気を醸す「幻影」は、激しい音に揉まれながら、力強く言葉を吐き出すボーカル・スタイルが特徴的な曲です。曲はサビから始まり、最初から相当な声量と肺活量を要求され、力を振り絞り全力で声を出しています。エネルギッシュな歌声に乗ってメロディが聴き手に届きますが、届くという言葉では弱く、肩をつかまれて揺さぶられるようなインパクトがあります。赤い光に染まったステージで、叫ぶように歌う姿が記憶に残っています。

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Written by fujiokashinya

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