藍井エイル「HELLO HELLO HELLO」：歌声が届けるのは、いつもの言葉、大切な言葉

軽やかに、穏やかに響くアコースティック・ギターの音。藍井エイルの新曲「HELLO HELLO HELLO」が配信されています。驚いたのが、カントリー・ミュージックの空気を漂わせるアレンジです。これまでにもロックという軸から離れるアプローチはありました。しかしそのギャップはむしろ楽しめる要素であり、「HELLO HELLO HELLO」も同様です。緩やかなテンポのなか、涼しげで心地よい音が聴き手を包みます。

ギャップがあるのは音だけではなく、歌にもいつもと異なる雰囲気が漂います。ほとんど別人といってもいいくらいです。持ち味である力強いボーカルとは打って変わって、「HELLO HELLO HELLO」では穏やかで柔らかい歌を届けます。しかしそれは弱いということを意味しません。穏やかさや柔らかさのなかに、芯の強さが垣間見えます。例えば、♪君まで届けるよ Hello Hello Hello♪や♪一番に届けるよ Hello Hello Hello♪の、特に「届けるよ」の部分に強さを感じて、特に好きです。

藍井エイル「Raspberry Moon」：紅く熟れた月を見上げ、蠱惑的な歌声と音の乱舞に誘われる