Zedd「Transmission [feat. Logic and X Ambassadors]」:交わり混ざる色と色、複雑な模様を描くEDMアプローチ

fujiokashinya
Nov 19, 2023

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Foxesをボーカルに迎えた「Clarity」やAriana Grandeとの「Break Free」など、Zeddが関係した曲で有名なものはいくつもあります。その一方で曲によっては、シングルで発表されるようなポップな曲とは一味違う音楽世界が広がります。その例が「Transmission」です。

緩めのテンポで、音と歌とラップが絡み合って響きます。粘り気のあるエレクトロニック・サウンドが耳に残り、身体の隅々まで行き渡る。沼に足を踏み入れて沈むような、このまま聴き続けていると何かに支配されてしまう、けれども止められない――そんなイメージが浮かびます。

言葉に言葉が押されるようにして流れ連なるLogicのラップがとても格好良い。硬質の音と混ざり合うラップはメタリックな輝きを放ち、冷たく光る金属を思わせます。一方、X AmbassadorsのボーカリストSam Harrisの歌はとてもエモーショナルです。心の壁が決壊して、ずっと抑え込んでいた感情があふれ出ているかのよう。クールで無機質なラップとの対比で一層心に響きます。

「Transmission」が収録されているのは、Zeddが2015年に発表したスタジオ・アルバム『True Colors』です。アルバムに詰め込まれたエレクトロニック・サウンドは幅広く、EDMにもいろいろな表現方法があると思わせてくれます。その多彩なアプローチのひとつとして「Transmission」はとても興味深い曲です。

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Written by fujiokashinya

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