Zedd「Lucky [feat. Remi Wolf]」：シンセサイザーのリフに包まれて沈み、Luckyというワードが繰り返されるトキシックな世界
Aug 20, 2024
Zeddの新しいスタジオ・アルバム『Telos』が2024年8月の終わりにリリースされます。先行して「Out Of Time」が公開され、続いて「Lucky」の配信が始まりました。アメリカ出身のシンガー・ソングライターRemi Wolfをボーカルに迎えた曲です。気持ちよく踊るのに適したテンポであり、さらに音と歌のバランスが素晴らしい。メロディが魅力的なダンス・ミュージックは聴く人を虜にします。
イントロとVerseの音や歌はポップスらしい展開。そのため、ポップなChorusが控えていると僕は予想しました。けれども音が落ちてChorusに突入すると、目の前の世界は一変します。厚みがあって歪んだエレクトロニック・サウンドがリズミカルに響き、聴き手の心をつかんで支配します。ダンス・ミュージックを聴く楽しみのひとつは、魅力的なシンセサイザーのリフを味わうことです。この曲でも素晴らしいリフに出会いました。イメージとしては泡でしょうか。なめらかな泡を思わせる魅力的なリフに包まれ、埋もれ、沈みます。
サウンドの中毒性をもっと高めるのがRemi Wolfの歌です。リズミカルに繰り返される♪Lu-lu-lu-lu-lucky, lucky, lucky♪のフレーズが耳から離れません。ダンサブルな音のなかで、ダンサブルなボーカル表現が水を得た魚のように展開します。切り抜いて何度も何度も聴きたくなるChorusです。
