underworld「Techno Shinkansen」:electronic music loverを乗せて駆け抜けるテクノ新幹線
2024年10月にunderworldのスタジオ・アルバム『Strawberry Hotel』がリリースされました。収録曲のリストを眺めたとき、思わず目を見張った曲があります。それが「Techno Shinkansen」です。テクノ新幹線?
味わい深い音がループするハウス・ミュージックです。連鎖する音が僕らの身体に染み込み、心に潜り込みます。鼓動とシンクロして、血液のように音が身体を駆け巡る。単調にも聞こえる音の流れのなかにも変化があり、じっくり聴いて変わりゆく音を楽しむトラックです。
ピアノの凛とした音で始まり、シンセサイザーの音でメインのメロディをつなぎます。曲を支えるのは、色気とともに包容力を感じるリズム。ベースが心地よいラインを描き、前に出るハイハットや控えめなキックを従えます。2:00あたりから40秒ほどの、メロディが影を潜め、ベースが中心となって曲を引っ張る展開が好きです。
underworldの醍醐味は音楽と映像のシナジーを味わうことにあります。「Techno Shinkansen」のvisualizerはレールウェイを走る映像と、カタカナと漢字のタイポグラフィー・アートで構成した映像。繰り返し明滅する文字は、カタカナと漢字が読める人と馴染みのない人で異なる印象を与えます。意味を知る人、記号として捉える人、それぞれが別の体験をする映像作品です。人々を乗せて走るテクノ新幹線は、エレクトロニック・サウンドとビジュアル表現で僕らをGROOVEの虜にします。