TM NETWORK TOUR 2022 FANKS intelligence Days [Part3]
ネットワークに埋め込まれたのは、未来に待つであろう何かを示唆する文字列。Day1からDay7までホールを巡った〈TM NETWORK TOUR 2022 FANKS intelligence Days〉が、会場の規模をアリーナに拡大したDay8とDay9によって幕を閉じました。FANKSへのミッションと未来につながるヒントを残し、TM NETWORKは帰還します。
セット・リストは大部分が踏襲されていましたが、「IT’S GONNA BE ALRIGHT」を外して「TIME TO COUNT DOWN」を加え、木根さんがソロで「LOVE TRAIN」を演奏した点が異なります。また、音の面ではドラマーの阿部薫とパーカッショニストの小野かほりの参加が大きな違いです。三人の歌や音と打ち込みというDay7までの構成に、生のドラムとパーカッションが加わることで、サウンドの印象が変わりました。
打ち込みによるアグレッシブなリズムに圧倒されるツアーでしたが、加えてアリーナではコンガ、ボンゴ、ティンバレスなどがリズムに彩りを与えます。例えば「KISS YOU」では、身体を叩くように強烈なリズムの存在感はそのままに、ぐっと色気が強まっていました。また、木根さんと小野さんで演奏した「LOVE TRAIN」は、この曲には珍しいアコースティック系のアレンジであり、パーカッションの気持ちよさを存分に味わえました。
ツアーを振り返ると、印象深いシーンがいくつもあります。音源よりも華やかな音になった「Please Heal The World」、哀愁漂うメロディがループする「あの夏を忘れない」、木根さんのアコースティック・ギターが活躍した「8月の長い夜」や「WE ARE STARTING OVER」、スタジオ録音をもとにして音に厚みを出した「How Crash?」、三人の声が重なる「I am」。物語の色を薄め、音楽パフォーマンスの割合を上げたコンサートもまた良いものです。
コンサートの終幕は、次の物語に導くプロローグの始まりです。最後にTM NETWORKは「fanksintelligence.com」を通じてFANKSに新たなミッションを伝えました。さらに提示されたのが「Day 10 147XX」というキーワード。時が満ちれば次の情報がインプットされるはずです。それまでFANKSはミッションを遂行し、潜伏を続行します。