TM NETWORK「RESISTANCE (TM NETWORK How Do You Crash It?)」:エレクトロニック・サウンドが張り巡らされたステージで、無機質な響きのリフが快感を呼ぶ

fujiokashinya
Apr 8, 2022

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三人だけが立つステージ。TM NETWORKのトライアングルを覆うように張り巡らされたエレクトロニック・サウンド。音が集まり、ステージにEDMらしさが満ちてくるとイントロに接続し、特徴的なリフが響きます。その曲は、配信ライブ三部作のひとつ〈How Do You Crash It? three〉で披露された「RESISTANCE」です。

RESISTANCE (How Do You Crash It?)

イントロをはじめ、各所で響くリフが印象に残ります。ギターで弾くようなリフをシーケンサーで表現したものであり、小室さんが「ギターっぽいリフで始まって、僕はこのリフが気に入ってて、サビのメロディに重ねたりしてます」(『キーボード・ランド』1987年12月号)と語るように、紛れもなく「RESISTANCE」の大きな特徴です。

A quote from the liner notes by Tetsuya Komuro

当時のライブでの演奏はロック・テイストが強く、松本孝弘のギターが活躍する部分も多くありました。時を経て2013年のライブでEDMにモデル・チェンジし、threeでは2013年のサウンドを発展させています。サウンドの変化や発展を経ても、上述のリフの存在感は変わらず、むしろ大きくなりました。

TM NETWORK How Do You Crash It?

2013年以降、このリフで使われる音はオリジナルや過去のライブと比べて「無機質」になったと感じます。リリース当時の音は今聴くと生っぽくて、2013年以降の方が電子音らしさが強い。ソフト・シンセで作り込まれた音だからなのか、電子音らしいといってもレトロさは感じられません。それは「強烈な個性を持った無機質さ」とでもいうべきものです。threeでは、アナログ・シンセのaccess Virus TI2 Polarや他の音が重なることでリフの無機質さが強調され、何度も聴きたくなります。

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Written by fujiokashinya

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