TM NETWORK「GET WILD (TM NETWORK How Do You Crash It?)」:新しいフレーズを組み込み拡張するイントロ、唯一無二の世界を築くオリジナルのメロディ
access Virus Indigo Redback 2が鳴らす ♪Get wild and tough♪ のサンプリング・ボイス。How Do You Crash It?シリーズの開幕を告げた〈How Do You Crash It? one〉で、TM NETWORKの「GET WILD」が披露されました。代表曲だからというだけではなく、構成やサウンドの変化が楽しめる点でもライブに欠かせない曲です。
ライブにおける「GET WILD」の特徴は、サンプリング・ボイスの連打に加え、長尺のイントロが挙げられます。ライブのたびにオリジナルにない新しいフレーズが組み込まれるイントロは、それだけで別の曲が作れそうなくらいに独立性が高く、新鮮さを感じさせます。oneでも、観客を熱くさせるキャッチーなフレーズが加わっており、このイントロを発展させれば新しいEDMソングが生まれるに違いありません。
木根さんのカッティングが響くと音はさらに加速し、やがてオリジナルのイントロに接続します。その重要性について、かつて木根さんは「あのイントロがあるから、どんなにグチャグチャになっても、何をやってもみんなグッとくるんじゃないのかな」(『Sound & Recording Magazine』2017年6月号)と述べました。「GET WILD」が数々の改造に耐え、多くのバリエーションを残せた理由のひとつです。
イントロの最初に響くメロディは、サウンドが大幅に改造されるなかでも常に際立ち、観客のハートを貫きます。長大な新しいイントロが続いた後に、わずかな空白を挟み、このメロディが鳴ってオリジナルのイントロが始まる。その瞬間に会場の熱気がぐんと上がるシーンを何度も見ました。僕らの記憶どころか、身体にまで刻み込まれた「GET WILD」のメロディです。