Steve Aoki「Last One To Know [feat. Mike Shinoda and Lights]」:ふたつの歌声で編み上げる多面的コラボレーション
Steve Aokiがアルバム『Neon Future IV』をリリースしました。半分の曲が連名で制作され、もう半分ではシンガーやラッパーを迎えており、まさしくコラボレーションの塊。すでに発表されているAlan Walkerとの「Are You Lonely」、Backstreet Boysとの「Let It Be Me」、Monsta Xとの「Play It Cool」などが収録されています。Aokiコネクションの幅広さに圧倒されつつも、新たなシナジーを見つける楽しみを味わいながらアルバムを聴いています。
アルバムに収録された新曲のうち、僕が惹かれたものを挙げるなら、最初に選ぶのは「Last One To Know」です。LINKIN PARKのMike ShinodaとシンガーソングライターのLightsがボーカルで参加し、異なる角度から曲を彩ります。Steve Aokiのサウンドの中で、ふたりの声の違いや重なったときの変化、多面的な楽しみ方ができるコラボレーションです。
「Last One To Know」は爽快な音とともに、Mike Shinodaのボーカルから始まります。やがてバトンがLightsに渡され、次にSteve Aokiの音が前面に飛び出し、そして再びMike Shinodaが歌う。Mike Shinodaの歌声は重量感がありながら軽快さもあり、腹持ちのよい歌を聞かせてくれます。一方、Lightsも素晴らしい歌声を聞かせてくれ、クリアかつ滑らかで耳に心地好い歌を堪能できます。曲の後半では、心に沁みるピアノに乗せて、ふたりの歌声が重なり、ひとつの魅力が生まれます。
僕はMike Shinodaの音楽が好きなので、彼が参加していることを知って「Last One To Know」を聴き始めました。ところが、Lightsの歌声の魅力を知ると曲の楽しみ方が増えて、一気に魅力は大きく膨れ上がります。ポップに寄せたSteve Aokiの音からは、異なる魅力のボーカルを活かす仕掛けが見られます。エレクトロニック・ミュージックの奥深さ、そして懐の深さを感じました。素敵なトライアングルに出会えたことに感謝します。