Steve Aoki and Kiiara「Used To Be [feat. Wiz Khalifa]」:2021年のreimaginationと2002年のimpressionを接続させる
Steve Aokiの音、Kiiaraの歌、そしてWiz Khalifaのラップを組み合わせた「Used To Be」がリリースされました。僕はエレクトロニック・サウンドに絡むKiiaraの歌声が好きなので、この曲もすぐに気に入りました。なかでも ♪Am I alright, yeah, I’m alright♪ とリピートする部分がとても好きです。歌と音が溶け合い、メロディの移ろいがに身を委ねていると心地好くて、その感覚をたとえるなら、うたた寝する直前の気持ちよさとでもいいましょうか。
「Used To Be」は、Matchbox Twentyというバンドが2002年に発表した「Unwell」を下敷きにしています。2003年にシングル・カットされ、グラミー賞のBest Pop Performance by a Duo or Group with Vocalにノミネートされました。ボーカルのRob Thomasの言葉を借りると、「Used To Be」は「Unwell」の “a reimagined version” です。あるいはカバーというべきかリメイクというべきか、どのような呼び方が適切かはともかく、原曲と聴き比べると楽しさが倍増することは確実にいえます。
バンド・サウンドが響く「Unwell」と、Steve Aokiのエレクトロニック・サウンドで構築した「Used To Be」。Rob Thomasが歌う「Unwell」、KiiaraとWiz Khalifaの声が混ざり合う「Used To Be」。同じメロディや歌詞でも、歌い手が変われば違った表情が見えます。アレンジの違いに加え、片方だけで聴けるフレーズが、各バージョンの独自性を際立たせます。横に縦に楽しみ方が広がる音楽です。