Steve Aoki and Aloe Blacc「My Way」:歌声はメロディを描き、音は歌声に新しい色を塗る
エレクトロニック・ミュージックは、ダンス・ミュージックのようにエネルギッシュに踊って楽しむだけではありません。時間をかけて聴き込み、隅々まで楽しめる曲もあります。そうした曲のひとつが、Steve AokiとAloe Blaccの連名で発表された「My Way」です。ソウルフルな歌声を厚みのあるエレクトロニック・サウンドをじっくりと味わうことができます。
「My Way」はAloe Blaccのアルバム『All Love Everything』に収録された曲です。素敵なメロディに胸が締め付けられます。とても美しく、哀愁が漂い、どこか寂しくもあり、けれども温かみを感じる。多彩な表情を見せるメロディに、Aloe Blaccの歌声がさまざまな角度から光を当てます。一方、コラボレーションで聴けるSteve Aokiのサウンドは、軽快ながらも厚みがあり、しかし前に出過ぎることなく歌声を支えます。穏やかさを感じさせる音は心地好く、特に心に沁みるのが優しく響くピアノです。
コラボレーションで自分の知らなかったアーティストを知るのは素晴らしい体験ですが、一方で今回のように自分の好きな音楽家どうしがタッグを組んでくれるのも嬉しい。Steve Aokiを聴くきっかけをくれたLINKIN PARKやBTS、そしてAloe Blaccの歌の素晴らしさを教えてくれたAVICIIに感謝します。いくつもの出会いを通して好きな音楽が増え、やがてそれらがつながり、また新しい音楽に出会える。そういった過去と現在のつながりもまたMy Wayといえるのかもしれません。