Reol「サイサキ」:連鎖する言葉の奔流、咲き乱れる音の濁流

fujiokashinya
2 min readFeb 24, 2020

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Reol

「HYPE MODE」でReolを知り、次は何を聴こうかとApple Musicで検索して、最初に目に留まったのが「サイサキ」という曲です。2018年にシングルとしてリリースされ、オリジナル・アルバム『事実上』に収録されています。

言葉の奔流。息を吐く間もなく言葉が連なって流れ、その連なる言葉の勢いに圧倒されます。ぎゅっと詰まった言葉の組み立てからは、音楽であるのと同時に芸術的な要素を感じます。部屋の中で視覚的、聴覚的に言葉がぐるぐると渦を巻き、鑑賞者に巻き付く。言葉をモチーフにしたコンテンポラリー・アート、インスタレーションをイメージしました。

音の濁流。エモーショナルな音は、言葉の裏で言葉を支えながらも、聴き手のエモーショナルな部分を刺激します。ボーカルの存在感がとても大きいのは紛れもない事実ですが、エレクトロニック・サウンドの緻密さ、網目の細かさは「サイサキ」を構築する大きな要素です。歌に惹かれ、音に誘われ、曲の音楽世界に深く深く引きずり込まれます。

歌の占める割合が大きいと、印象的な言葉に出会う機会も多い。僕が「サイサキ」で特に好きなのは ♪諸行無常 愛すべき東京♪ という部分です。メロディの流れやライムが心地好く、それに加えて意味も通っていて、脳を満たす快感を増幅しているのではないかと思います。楽しい。

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