Reol「HYPE MODE」:軽やかに越境する音楽スタイル、ポップスとEDMを呑み込むヒップホップ

fujiokashinya
3 min readJan 14, 2020

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Reol

App StoreのCMでReolというアーティストを知りました。発表済みのアルバムやextended playを聴くと、主にヒップホップ、EDM、ポップスの要素を含む音楽を発表していることが分かります。そのバランスは曲によって変わり、その都度異なる表情を見せます。さらに、オルタナやインド音楽を感じる曲もあるので、ひとつのカテゴリーに括ることはほとんど意味を成しません。何が飛び出すか分からないアーティストです。

CMで流れていた曲は、2019年10月にリリースされた「HYPE MODE」です。ポップスの色が強いヒップホップの中で、EDM的な音の展開が光ります。キックとwobble bassが重く響くPre-chorus(後半では ♪HYPE MODE これがHYPE MODE HYPE MODE♪ という気怠げなラップが重なる)は、何度でもリピートしたい。

ライブであれば会場を盛り上げるアッパーな曲であり、それでいて、緻密に組み立てられたエレクトロニック・サウンドをヘッドフォンで楽しむこともできます。カラフルな音に引きずり込まれ、軽快に言葉をつなぐラップに煽られて、僕は平衡感覚を失いながら音楽世界の一部と化します。頭の中に残るアディクティブな ♪HYPE MODE かなりHYPE MODE♪。

Music video by Reol performing HYPE MODE

「HYPE MODE」がテレビから聞こえてきたとき、そのわずかな時間に意識のすべてを持っていかれました。そして曲名を調べ、Apple Musicでアクセスするまでに要した時間は数分です。ヒップホップなのかEDMなのかポップスなのか、ジャンルを意識することなく、とにかく聴いてみたいと思ったことを覚えています。

BTSやBLACKPINKの活躍を見ていると、越境する音楽スタイルの強さを感じます。K-POPにおけるヒップホップは、アメリカの濃厚なヒップホップとは趣が異なりますが、むしろそれが独自の音楽性を確立させ、大きなファンダムの形成につながりました。EDMやポップスと溶け合ったヒップホップは聴きやすいので、新たなリスナーが次々と生まれるのかもしれません。

Reolの音楽を知ったことで、新しい音楽体験を得る楽しみができました。2018~2019年に発表された曲を聴きつつ(すでに数曲をヘビロテ中)、「HYPE MODE」を含むアルバム『金字塔』のリリースを待ちます。

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