ORESAMA「『ねぇ、神様?』 -Dressup cover-」:予想を裏切るDressupが特別な印象を残す
ORESAMAのDressup cover企画で12番目に選ばれた曲が、「『ねぇ、神様?』 -Dressup cover-」です。オリジナルは頻繁にライブで演奏されていて、定番曲のひとつといえます。Lantisで再デビューを果たしたシングル「ワンダードライブ」、ならびにアルバム『Hi-Fi POPS』に収録されています。
エレクトロのアプローチが多いDressup coverのなかで、ストリングスとピアノを効かせ、ダイナミックさと静謐さが交錯するアレンジが独特で、特別な印象を残しました。原曲はおろか、この企画に対するイメージもひっくり返します。心地好い「裏切り」と、その産物である音をじっくりと味わいます。
最初のDressup coverが発表されたのは2020年6月。この3月に始まったYouTubeの企画「ORESAMA RADIO」での発言によると、この曲でDressup coverは一区切りされるようです。とはいうものの「Dressup coverで聴きたい曲を教えてほしい」と言っていたので、いつかまた新たなカバーが制作されるのかもしれません。
12曲のDressup coverを振り返ると、オリジナルに対するイメージを更新する大胆なアレンジは、常に新鮮さを感じました。あくまでも本人たちによる再構築なので、ロックやヒップホップになるような変化ではなく、エレクトロやファンクなどORESAMAが持つ要素のバランスが変わることで曲の雰囲気が変化したといえます。どのDressup coverもそれぞれの方向を向いていて、その「バラバラ感」がこの企画を追いかける楽しみでもありました。