ORESAMA「OPEN THE WORLDS」:扉を開けて飛び込むORESAMAワールド、飛び出す新しいORESAMAサウンド
軽快に響くピアノの音。ORESAMA(ぽん/小島英也)の新曲「OPEN THE WORLDS」がリリースされました。YouTubeで公開されるミュージック・ビデオが曲の一部であることが多いのに対して、ORESAMAは海外の曲のように、いわゆるフル尺を公開してくれます。シングルを制作するたびに、曲の世界をミュージック・ビデオで表現し、毎回楽しませてくれます。
ミュージック・ビデオやジャケットを通じて、ORESAMAはオリジナルの世界を徹底して追求しています。「OPEN THE WORLDS」の扉を開くと僕らの目の前に広がるのは、ORESAMAの音楽、うとまるが描く世界中に散らばる物語のイラスト、NON(ELVENPLAY)による腕や手の動きで曲を表現する振付、これらが形作るORESAMAワールドです。
ORESAMAの音はファンキーに刻む小島英也のギターが特徴的です。そこに鍵盤、特にシンセサイザーの音がよく加わります。「OPEN THE WORLDS」で聴けるピアノの音は、縦横無尽に駆けて曲のスピード感をぐいぐい上げています。僕は音が音に連なってスリリングに展開するジャズ・ピアノをイメージしました。もちろんジャズではしっとり聴かせるピアノもありますが、この曲からは勢いよくテクニカルに奏でるジャズ・ピアニストの姿が思い浮かびます。
曲全体がネコのように跳ねる感じがして楽しい。音に乗って響く歌声は柔らかく、毛並みの綺麗なネコを思わせる…というのは奇妙な喩えですが、ぽんの歌声の柔らかさがあるからこそ、このアレンジが活きるのかもしれません。ジャズというかファンクというか、あるいはクロスオーバーでもいいのですが、そういったものを感じさせる音にぽんの歌声が加わり、ORESAMAの音楽世界が立ち上がります。またひとつ新しいORESAMAの姿を見ることができて、とても嬉しい。