ORESAMA「Morning Call -Dressup cover-」:カラフルな音は歌を乗せて流れ、ポップでクールな物語を映し出す
ORESAMAが自身の曲をセルフ・カバーする企画「Dressup cover」は、一枚のアルバムが作れそうな数が生まれています。最初の頃は3曲ほどをYouTubeにアップして終わる企画かと思い、第4弾の「Morning Call -Dressup cover-」が公開されたときはextended playとして配信するのかなと思いました。ところが、その後も新たなDressup coverの発表が続いているため、リメイク・アルバムができそうです。
「Morning Call -Dressup cover-」の雰囲気はポップでクール。軽やかな音を前面に押し出したエレクトロで始まり、やがて音がいくつも組み合って膨らみ、厚みを増します。間奏からはシンセサイザーとギターの競演が鮮やかに響き、パーカッションとベースを効かせたアプローチも加わります。表情の異なる音がリレーのようにつながる流れが心地好くて、ずっとループして聴いていたいと思わせてくれます。
Dressup coverでのボーカルは、音と同じレイヤーで響く感じがします。サウンドに近づき、溶け込んでいるボーカル、それがこの曲のポップでクールな雰囲気を生み出す要素のひとつになっていると思います。
オリジナルの「Morning Call」が収録されているのは、2015年に発表されたアルバム『oresama』。全体を貫くギターの音が印象に残るアレンジです。また、歌詞からはパーソナルな関係で育まれる心地好さを感じました。そうした空気は、音が変わったDressup coverでも継承されていて、穏やかな優しさが見え隠れします。