Marshmello「Here With Me [feat. CHVRCHES]」:ポップに舞うボーカルを彩るエレクトロニック・サウンド
被り物DJスタイルでお馴染みのMarshmelloがCHVRCHESというバンドを迎えて制作した「Here With Me」という曲がとても良いので、プレイリストに入れて聴いています。CHVRCHESはIain Cook、Martin Doherty、Lauren Mayberryの三人から成るバンドであり、スコットランドはグラスゴーの出身です。
「Here With Me」は、エレクトロニック・ミュージックというよりは、親しみやすさを前面に押し出したポップスとして捉えたい。エレクトロとポップスの接近はさまざまなところで実現しており、それはもう音楽業界の軸のひとつといってもいいかもしれません。エレクトロに寄せるか、ポップスの色を強めるか(そこにファンクやヒップホップなどの要素が加わることもある)。「Here With Me」はポップス寄りですね。
丁寧に紡がれる言葉。ボーカリストLauren Mayberryの歌声は、穏やかで優しく、そして哀愁を感じます。その雰囲気はメロディがもたらしているともいえ、歌声とメロディが磁石のように引き合い、心地好い空間を生み出しています。
MarshmelloとCHVRCHESによって作られたサウンドは歌声の魅力を強調し、その雰囲気づくりに貢献しています。歌声を彩る音。これ以上前に出ても、後ろに下がっても、そのバランスは崩れてしまうのかもしれません。絶妙なポジション、絶妙なバランスにあるからこそ、聴き手の耳に、そして心に引っかかるのでしょう。