m.s.t.「Days」:移ろう日々の景色、音で描く日々の記憶
Jun 2, 2020
m.s.t.(持山翔子/小山尚希)というデュオの名称には、「Make the Scenery Tune 〜景色に音を〜」という意味が込められています。ふたりは2019年に『Days』というアルバムをリリースしました。そして表題曲「Days」については、ミュージック・ビデオをYouTubeで観ることができます。
ピアノとベースとギターとパーカッションとドラムが織り成す「Days」の音は、とてもダイナミックで、多彩な表情を見せてくれます。さまざまなことが起きてめまぐるしく過ぎていく日常の風景を描くかのようです。m.s.t.の音楽は総じて「絵を描く」イメージが浮かびますが、「Days」に関してはライン・ドローイングを想起しました。ペンがさらさらと動き、日々の出来事、誰かの日々の記憶を絵にしていく。
「Days」のミュージック・ビデオを観たとき、ライティングの演出が美しいと感じました。光に照らされて演奏する姿が、「Days」の魅力を増幅させています。メロディはより美しく、パフォーマンスはよりダイナミックに感じられます。ライブでの演奏に近いともいえますが、ライブとは異なる、映像だからこそ生まれるアーティスティックな光というべきでしょうか。演奏者を照らすというよりは、音楽そのものを照らしているのかもしれない。そんな気がしました。