LINKIN PARK「Two Faced」:躍動するスリリングなパフォーマンス、アグレッシブな熱気が立ち込めるヘビー・ロック
LINKIN PARKのスタジオ・アルバム『From Zero』から先行配信された曲は四つあります。その最後の曲として、アルバムのリリース直前に公開されたのが「Two Faced」です。同時に解禁されたミュージック・ビデオはシンプルなリップシンク。白いシャツに黒いセットアップやジレを着て、ネクタイを締めるという珍しいスタイリングに身を固め、カメラの前でバンドが暴れます。
第一印象は「とんでもない曲に出会った」です。音も歌も躍動し、聴き手の心をかき乱しては高揚させます。Emily Armstrongの歌う♪Two faced | Caught in the middle♪と♪Too late | Counting to zero♪のフレーズが絶品です。Mike Shinodaの斜に構えたようなラップも格好良い。荒々しくもインテリジェントというLINKIN PARKらしさを存分に感じられます。
一触即発の空気を感じる、スリリングで強烈な、なおかつ緊張感のあるヘビー・ロック。厚みと密度のあるギターがのしかかり、ぐいぐい攻めるスクラッチ・ノイズも効いています。デビュー盤を彷彿とさせるアレンジです。強いていえばギターの雰囲気が「One Step Closer」に近い。似せたとは思いませんが、個人的な過去と現在のミッシング・リンクです。
アルバムのリリース当日、バンドはSão Paulo公演の一部を配信し、そのなかに「Two Faced」も含まれました。圧巻の一言。激しくアグレッシブな音が生の演奏で数倍に膨れ上がり、塊となって観客を襲います。EmilyとMikeのパフォーマンスにも力が入って、ステージから伸びるキャットウォーク(ランウェイ)でエネルギッシュな歌とラップを披露しました。並み居る代表曲に負けず劣らず、プレゼンスを示した曲です。