LINKIN PARK「Friendly Fire」:ポップな音とキャッチーなメロディが最後のセッションの痕跡を示す
LINKIN PARKが『Papercuts - Singles Collection (2000-2023)』と題したアルバムを2024年4月にリリースします。最初の「One Step Closer」から最新の「Lost」まで、シングルとして発表した曲から抜粋して編んだコンピレーション・アルバムです。スタジオ・アルバムに収録されなかった「QWERTY」や「New Divide」を含み、さらに新たな未発表曲も追加されました。それが「Friendly Fire」です。
「Friendly Fire」は2017年に録音されました。バンドの最後のスタジオ・アルバムとなった『One More Light』に収録される可能性があった曲です。セッション風景や当時のライブ映像をつないだビデオも公開されています。六人で円陣を組んだり談笑したりする光景が印象的で、とりわけChester Benningtionが歌う姿に魅せられました。同時に失われたものの大きさを改めて感じます。
ポップス的な音づくりやキャッチーなメロディを特徴とする、この時期らしいアプローチです。ヘビー・ロックやオルタナの雰囲気を抑えた『One More Light』の路線に合致していて、アウトテイクにされたのが不思議に思えます。リズミカルに奏でられる音に呼応して、ボーカルもまたリズミカルに響きます。軽快とさえいえるパフォーマンスのなかで、繰り返される♪What are we fighting for?♪と♪It’s just friendly fire♪というフレーズが心に引っかかりを残しました。