KMNZ and ORESAMA「ファジータウン」:言葉の奔流を味わい、艶めく歌声に酔う
バーチャル・ヒップホップ・デュオのKMNZ(ケモノズ)とORESAMAが発表した「ファジータウン」をYouTubeで聴くことができます。ORESAMAらしいエレクトロとファンクが混ざったサウンドに、ぽんのボーカル、LITAとLIZのラップというカラーの異なる声が重なります。LITAとLIZが紡ぐ言葉の奔流に最初は驚き、曲が終わるころには感動に変わっていました。
ずっとORESAMAの音楽を聴いてきたので、二人の音楽の良さは既知でした。しかし、それでも新しい驚きと感動を与えてくれるのが音楽の良いところです。ぽんが歌う「ファジータウン」の歌メロは、ORESAMAのときとは異なる雰囲気を醸し、どこか艶っぽく響きます。特にサビの ♪ファジータウン♪ の部分がとても好きです。それは、歌声と言葉とメロディが噛み合う瞬間。曲名が最も記憶に刻み込まれるメロディです。
僕は声って一番説得力のある、個性の強い楽器だと思うんですけど、今回の「ファジータウン」は、3人分の個性が入ってくる曲なので、つくりかたもこれまでの僕らの楽曲とはまた全然違っていて、余計にKMNZの2人の個性を感じました。
小島英也
Real Sound — KMNZ×ORESAMA特別対談 バーチャルとリアルの垣根を感じない “ぶつかりあい” の音楽制作
四人が「ファジータウン」について語るインタビューがReal Soundに掲載されています。そのなかで、小島英也の語る「3人分の個性が入ってくる曲なので、つくりかたもこれまでの僕らの楽曲とはまた全然違っていて」という言葉が、「ファジータウン」の制作を通して生まれた価値を説明しています。新たな出会いに刺激を受け、その結果が聴く人にも伝わる。コラボレーションのおもしろさは、聴き手だけではなく、作り手もまた新しいものを得られることなのかもしれません。