JUJU「What You Want」:軽快な音に包まれ、歌声は記憶に残る
JUJUの「What You Want」はノリの良さがとても魅力的で、自然と身体を動かしたくなるダンサブルな曲です。重厚なリズムに聴き手を誘うハンドクラップ、バリトンを中心に据えたホーン・セクション、ファンク系のギターが加わり、多くの人を招き入れるポップさをまといます。
人気のあるシンガーは個性的な歌声を持つものです。JUJUも例外ではありません。さらっと聞き流せない声、重心のしっかりした存在感のある声、色気が薫る声です。彼女の曲を聴いたり、テレビ番組のBGMとして流れている歌を耳にしたりすると、しばらく歌声が頭から離れません。記憶に痕が残るというべきでしょうか。心のどこかに引っかかる不思議な歌声です。
声質もさることながら、カラフルなボーカル表現も魅力のひとつとして挙げられます。JUJUの歌はメロディの良さを存分に引き出して聴き手に届けます。特に♪もうやめてよ Darling Darling♪や♪What you want What you want♪のメロディが好きです。
リリース当時、渋谷のスクランブル交差点で「What You Want」を耳にしたことがあります。雑踏のなかでJUJUの歌声が聞こえたとき、多くの人が行き交い、エネルギーに満ちた渋谷の雰囲気にフィットすると思いました。歌うこと、踊ること、ひいては音楽を楽しむことは、そんなに難しいことじゃない――そんなメッセージを感じる曲です。