Jack Back「Superstar DJ」:Pre-EDM時代のエレクトロが2010年代EDMに生まれ変わる
Nov 15, 2021
Jack Back(David Guettaの別名義)では、実験的なEDMサウンドを楽しむことができます。ポップ/マニアックの軸でいえば後者の要素が強く、David Guettaという表の顔とは一味違った裏のアプローチが見られます。そのJack Backが2020年にリリースした曲が「Superstar DJ」です。
オリジナルは1999年に発表されたThe Chemical Brothersの「Hey Boy Hey Girl」であり、デュオの代表曲のひとつといえます。エレクトロニック・ミュージックの第一人者の曲を別の第一人者がカバーするという出来事の大きさ、重さに震えました。
EDMという言葉が生まれていなかった時代のエレクトロニック・ミュージックが、2010年代に発展したEDMで再解釈される。音の構造は緻密になり、重厚感がぐっと増しました。リズムの重心が低く、そこに重なるシンセサイザーのリフは分厚くて密度が大きい。
「Hey Boy Hey Girl」から「Superstar DJ」への変化は、20年を経て進歩したサウンドの痕跡を見せます。身体に響くヘビーなサウンドを体験しながら、♪Hey Girls Hey Boys Superstar DJs Here we go♪のリフレインに酔いましょう。