Jack Back「Feeling」:ハウス・ミュージックの世界に引きずり込む音と声のループ
May 30, 2022
エレクトロニック・ミュージックの規則的なリズムを聴いていると、「曲の世界に引きずり込まれる」と感じる瞬間が訪れます。ループ・サウンドが与える快感はハウス、テクノ、トランス、そしてEDMなどと発展するなかで継承されてきた、エレクトロニック・ミュージックの本質的な部分なのではないでしょうか。終わりのない音の奔流に身も心も虜になります。
Jack Backは、David Guettaがハウス・ミュージックへのアプローチを強めた(EDMより前に回帰する)プロジェクトです。僕は例えばTom Staarとの「Body Beat」やThe Chemical Brothersの曲をリメイクした「Superstar DJ」などが好きであり、そこに新たな曲が加わりました。それが2022年3月に発表された「Feeling」です。
「Feeling」の魅力は、たくましさを感じるエネルギッシュなボーカルと、1980~90年代を思わせるエレクトロニック・サウンドです。ループする音に捕捉されると、抜け出すのは実に難しい。その状態に ♪I got a feelin’ (feelin’)♪ の歌メロが拍車をかけます。音と歌のスパイラルに絡め取られ、ずっと聴いていたいと思えます。