fhána「愛のシュプリーム！」：歌と音は軽やかに舞い、聴く人に手を差し伸べ、その輪の中に導く

fhánaの「愛のシュプリーム！」をYouTubeで観たとき、歌もサウンドもインパクトがあり、その魅力に引き込まれました。躍動感あふれるパフォーマンスやカメラワークも印象に残ります。第一印象がもたらした興奮は冷めやらず、すぐにApple Musicにアクセスして繰り返し聴きました。

音の雰囲気はシームレスに移り変わり、そのダイナミックな展開はクールダウンする暇もありません。特に印象的なのがホーンやストリングスの音です。とても軽快で、気持ちを盛り上げてくれます。全体として重くなく、ポップで楽しげなのですが、それでいて、時として差し込まれるクールな音に魅せられます。

ラップやボーカルの魅力を存分に味わえるのも「愛のシュプリーム！」の特徴です。ふたりのラップは異質にみえて親和性があり、混ざりながら交錯しながらスピード感とパーティー感を生み出します。その流れを受けてサビに接続すると美しいメロディが響きます。一緒にハンドクラップしたくなるし、一緒に歌いたくなる。

音にしても声にしても、さらにいえばミュージック・ビデオの演出にしても、ひとつの曲にさまざまな要素が込められています。一日では回り切れないほどのアトラクションが目の前に広がるテーマパークとでもいいましょうか。聴けば聴くほど好きになっていく、素晴らしい曲です。