FENCE OF DEFENSE「Lies&Reason」:艶のある音と鈍く光る歌が絡みつくサイケデリックでトキシックな世界

fujiokashinya
Apr 2, 2023

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1991年にFENCE OF DEFENSEがリリースしたアルバム『digitaglam — FOD VI』は、サイケデリックな雰囲気を漂わせるアルバムです。アレンジ、ボーカル、歌詞、ジャケットなど、アルバムを構成するあらゆるものがトリッキーで、視界も思考も歪みそうな音楽世界が広がります。雑多な記憶が整理されないまま断片的につながり、混淆する――夢のなかの奇妙な世界のようです。

アルバムのなかで僕が最も好きな曲が「Lies&Reason」です。グラム・ロックの要素を含むアルバムで “glamorous” を最も色濃く体現した曲なのではないでしょうか。パーカッションの音を含ませたロック・サウンドは叙情的で、艶っぽく光り、まとわりつくような粘り気があります。肉感的な音とコントラストを描くのは、あまり大きな起伏を見せない体温の低いボーカルです。感情を押し殺しているようにも聞こえ、身体の内部に渦巻く毒を想像させます。

ストリーミング・サービスで「Lies&Reason」を聴くためには、Apple Musicでアルバム『FENCE OF DEFENSE LIVE DIGITAGLAMMY SHOW Featuring Daisuke Asakura』にアクセスします。このライブ音源はオリジナルのアレンジにほぼ忠実ですが、パーカッショニストが叩くリズミカルな音や浅倉大介が弾くキーボードとの共演もポイントです。エンディング部分はオリジナルと異なり、テーマ・メロディを奏でるギターの素晴らしい演奏で締めくくります。

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