Eir Aoi 10th Anniversary Live 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011–2022
藍井エイルがデビューしたのは2011年。それから10年が過ぎ、アーティスト活動の歩みをたどるライブ〈Eir Aoi 10th Anniversary Live 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011–2022〉が横浜アリーナで開催されました。2時間以上にわたった大ボリュームのライブです。エイルの伸びやかな美声と、それを支えるバンドの肉厚な演奏が響きました。
メモリアルなライブということもあり、あらゆる時期から選ばれた25曲で構成されました。デビュー曲の「MEMORIA」、初期の「AURORA」や「コバルト・スカイ」、代表曲の筆頭である「IGNITE」、ライブでは欠かせない「INNOCENCE」や「シリウス」、僕がエイルを聴くきっかけになった「ラピスラズリ」や「翼」、再始動後の「流星」や「グローアップ」、2022年に発表された「PHOENIX PLAYER」や「ANSWER」、そして最新シングルの「心臓」。何が飛び出すか分からない、それこそ万華鏡のようなセット・リストだったのではないでしょうか。
当然ながら10年以上の時間を表わすのに25曲では到底足りません。けれども、このセット・リストを見るだけでも、多様なカラーの曲を世に送り出してきたことがよく分かります。僕がリアルタイムで体験した期間は半分より少し多いくらいですが、それでもこのアニバーサリーに立ち会えたことは嬉しく、感慨深いものがありました。特に「KASUMI」、「シューゲイザー」、「約束」が印象に残りました。これまでのライブでも聴いていますが、何度聴いても良いものは良いのです。
ライブを観ながら、ふと心に浮かんだ光景があります。再始動してから初めて開催された2018年のライブです。あのときは、何人ものダンサーが参加してステージを盛り上げました。そんなことを思い出していると、期せずして、アンコールの「HELLO HELLO HELLO」と「YeLL」で日本工学院ダンスパフォーマンス科の生徒が登場します。センター席をぐるりと囲む通路を多くの生徒たちが埋め、パフォーマンスを披露しました。
最後に届いたのは未来の予告。場内が明るくなる直前に、次のアルバム『KALEIDOSCOPE』のリリース情報がスクリーンに映し出されました。ライブの副題と同じであり、つながりを予感させます。次のストーリーはすでに書かれ始めています。万華鏡の記憶を巻き戻しつつ、この先に待つ歌や音を想像してみましょう。