BUMP OF CHICKEN「なないろ」:カラフルに重なる音と歌に誘われ、空を見上げる
Jun 1, 2021
その曲を屋外で聴いていると、空を見上げたくなります。晴れていても曇っていても、あるいは雨が降っていても、空に吸い寄せられるように顔が上を向きます。それはBUMP OF CHICKENの新曲「なないろ」です。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』の主題歌であり、他の番組の間やニュースなどで頻繁に流れていたので興味を持ち、腰を据えて聴いてみることにしました。
「なないろ」に対する僕の第一印象は「爽やかな曲」です。イントロからアコースティック・ギターが鳴り響き、爽やかな風を運んできてくれます。第一印象が落ち着いたところで、じっくり聴くと、各所で存在感を放つギターやベース、歌を華やかに彩るストリングスやトランペットなど、さまざまな音が絡み合っていることが分かります。カラフルに重なる音が、とても心地好い。
空と「爽やか」という言葉が結びつくと、思い浮かぶのは五月晴れや秋晴れです。けれども「なないろ」のメロディやサウンドから想像をめぐらせると、厚い雲に覆われて泣き出す姿もまた空なのだと思えます。雨に濡れる日々とも付き合っていく。雨が上がって顔を出す太陽に感動する。移ろう空の表情を見ることは、生活の一部であることを思います。