BTS「Interlude: Shadow/Outro: Ego/Black Swan」:新しいピースを組み合わせ、イマジネーションで描く地図
『MAP OF THE SOUL: PERSONA』に続く、BTS(방탄소년단)のアルバム発売が予定されています。それはMAP OF THE SOULシリーズの第二弾、『MAP OF THE SOUL: 7』です。アルバムの到着に先立ち、「Interlude: Shadow」と「Outro: Ego」のミュージック・ビデオがYouTubeで公開され、シングルとして「Black Swan」が配信されました。
新作『MAP OF THE SOUL: 7』への期待は否応なしに高まります。アルバムの中で最初に公開された曲が「Interlude: Shadow」です。ヘビーなサウンドとタフに響くSUGAのラップ、その聴き手を呑み込まんとする存在感の大きさに圧倒されます。数え切れないほどのスマートフォンを向けられる中、彼は一際高いステージに立ち、あるいは群衆の中で挑発的、扇情的に歌います。
「Outro: Ego」の主役はJ-HOPEです。ファンキーでダンサブルな音の中、音を従えて街を行進するように、力強く、そして軽やかに歌とラップを披露します。ポップかつクールなメロディを自在に操り、さまざまな表情を声で表現します。ボーカルの間に差し込まれるブラスっぽい音のフレーズがとても格好良くて、それは身体をアジテートし、踊りたくなる欲求を刺激します。
そしてもうひとつの新曲、シングル・カットされた「Black Swan」は、美しく重厚な雰囲気を醸すミディアム・テンポの曲です。併せて公開された映像はミュージック・ビデオではなく “Art Film” とのこと。この映像はBTSの音楽とコンテンポラリー・アートの融合というべきでしょうか。「Black Swan」に合わせて、スロヴェニアの振付・ダンス集団MN Dance Companyがパフォーマンスを披露しています。美しい曲線を描く身体表現が、重心の低いハーモニーと絡み合い、ひとつの世界を描きます。
音楽と映像がタッグを組み、重要な役割を果たし始めたのは1980年代なので、30年以上のキャリアがあります。その中でもYouTube時代というかオンライン映像時代というか、ここ10年における映像の強さは目を見張るものがあります。
「Interlude: Shadow」のビデオが公開されたとき、SUGAが描く音楽世界に引き込まれました。映像が最初に来て、来たるべき『MAP OF THE SOUL: 7』の世界を予告します。「音楽は『目から』聴く」時代の真っ只中であることを再認識せずにはいられません。