BTS「Butter (Hotter, Sweeter, Cooler)」:音のバリエーションを楽しむ、音楽ネットワークが広がる
BTS(방탄소년단)が「Butter」をリリースしたのは2021年の5月後半。BillboardのThe Hot 100では、5週連続でトップを走っています。また6月頭にかけて、いくつかのリミックスが発表されました。ファンキーな音で踊れるHotter Remix、コンテンポラリーR&Bを思わせるSweeter Remix、ロックの熱を感じるCooler Remixです。各バージョンにおける音のバリエーション、その魅力を楽しみましょう。
「Butter」のオリジナルは、クリーンなエレクトロニック・サウンドを組み合わせ、明るい印象の音になっています。特筆すべきは、音源では1:30~1:50、ビデオではエレベーターのような部屋で一人ずつ踊る間奏です。同じメロディを太い音で、次いで薄い音で奏でるこの部分は、どことなくレトロですが、古くは感じず、むしろ瑞々しく鮮やかに響きます。
Hotter Remixの間奏ではアルトの音を効かせており、ベースやキックの厚い音と混ざり合います。ファンキーでメロウ、そして艶っぽいサウンドが身体を刺激し、心を熱くする。このサウンドは一度潜伏し、エンディングで再び顔を出します。J-HOPEとRMが披露するラップとマッチし、とても良い気分で曲を聴き終えることができます。
オリジナルや他のリミックスを含め、どのバージョンの「Butter」もベースの音が魅力的です。特にSweeter Remixのベースは重厚、それでいて色気があり、サウンドの輪郭を描いて曲の全体像を決定づけています。重なるピアノの音は甘く香り、聴き手を優しく包みます。じっくり味わって聴きたいリミックスです。
Cooler Remixが最初に放つ音はギターです。ギターをはじめ、スネアやベースといったリズム・セクションもまたロックの色気を醸しており、ロック・スタイルに染めるアレンジが格好良い。ダンス・ミュージックらしさはキープしつつ、ロックの鋭さやたくましさを加えたリミックスです。踊れるロックは数多のmusic loverを虜にします。