AVICII and Chris Martin「Heaven」:その音楽は聴き手に届き、生命を吹き込まれる ◢ ◤
世界を沸かせたEDMスター、AVICII(Tim Bergling)。彼の遺作を集めたアルバム『TIM』がリリースされました。アルバムの2曲目に収録されているのが「Heaven」です。ColdplayのボーカリストChris Martinとのコラボレーションで生まれた曲であり、彼の歌声がAVICIIの音の中を縦横無尽に駆け巡る素晴らしい曲です。
アルバムに寄稿されたKatie Bain(Billboardなどのエディター/ライター)のメッセージによると、この曲が制作されたのは2014年とのことです。その後、AVICIIが2016年に仕上げました。そのため、未完成の曲を旧知のプロデューサーたちが仕上げた曲がほとんどを占める中で、プロデューサーとしてAVICIIの名前が単独でクレジットされた曲のひとつです。
イントロから響くAVICIIらしいシンセサイザーのリフレイン、ピアノに重なるChris Martinの歌声。まずはそれらに魅せられ、「Heaven」の虜になります。『True』のようでもあり『Stories』のようでもありますが、やはりそれらとは異なる点に存在する曲です。
耳が慣れたところで、より深い部分に潜ってみると、ベースが奏でるフレーズに心が吸い寄せられます。特に後半のじわじわと盛り上がっていくところが魅力的です。緻密に組み立てられたサウンドの中で、ボトムを支えるベースの存在が強く感じられます。身体に染み込ませるようにして聴きたい音ですね。