Ariana Grande『The Remix』:美声を彩るエレクトロニック・サウンドを集めたリミックス・コンピレーション

fujiokashinya
Sep 3, 2024

--

Ariana Grandeのリミックス・アルバム『The Remix』は、2015年に日本だけでリリースされた企画盤です。日本のKAWAIIを意識したのか、シンプルながらもポップなイラストがジャケットを飾ります。シングルやコラボレーション・ソングのリミックスが聴ける作品です。多くの曲がソフト・シンセの音を効かせ、リズムを強調したエレクトロニック・ミュージックに仕上がっています。

「Problem」はテナーの音やIggy Azaleaのラップを前面に押し出した曲です。アプローチの異なる三つのバージョンが収録されていて、いずれもソフト・シンセの音に気持ちよく酔えます。とりわけDave Aude Twerk EditとDawin Remixで聴けるキックとスネアとベースが格好良い。

本作では「Break Free」のextendedが聴けます。もともとZeddが参加した曲であり、このミックスもZedd自身が手掛けました。オリジナルの印象を残しながら、音を加え間奏を伸ばして変化をつけています。オリジナルより長いのに、むしろ引き締まった印象を受けました。

「One Last Time」のリミックスでは、哀愁を漂わせる「泣き」のメロディとEDMらしいダイナミックな音が混ざり、ハイハットの効いたリズムが包みます。他にも、Jessie JやNicki Minajとの「Bang Bang」、The Weekndと組んだ「Love Me Harder」、そして「Baby I」などヒット・ソングを大胆に分解・再構築したトラックが収録されました。シンセサイザーの音が好きな人であれば、琴線に触れるエレクトロニック・サウンドを『The Remix』で発見できるかもしれません。

--

--

fujiokashinya
fujiokashinya

Written by fujiokashinya

I am just a music/book lover. 音楽体験NOTESとブック・レポート My Twitter page: https://twitter.com/fujiokashinya