藍井エイル「HELLO HELLO HELLO」「Resonance」「CaCO」:記憶の片隅で響くメロディ、新しい色を取り戻す記憶
2022年の「エイルの日(8月16日)」の翌日に、藍井エイルの新しいシングル「HELLO HELLO HELLO」がリリースされました。先行して配信された表題曲に加え、「Resonance」と「CaCO」という新曲、そして各曲のインストゥルメンタルを収録したシングルです。
軽やかに響くアコースティック・ギターの音が印象的な「HELLO HELLO HELLO」。カントリー・ミュージックの雰囲気を漂わせるサウンドはエイルのイメージをひっくり返すもので、シングルの表題曲にしたことも併せて二重の意味で驚きました。エイルの曲を多く知っているファンほど意表を突かれるアプローチだったのではないでしょうか。
新曲のひとつ「Resonance」は、ピアノの音を散りばめたエモーショナルなロック・サウンドに、哀愁に満ちた歌が組み合わさった曲です。歌メロが漂わせる切なさやにじみ出る美しさが、それこそ曲名のように残響として記憶に刻み込まれました。疾走する音のなかでも存在感を放ち続けるメロディです。
バラードの「CaCO」では、叙情的なメロディが落ち着いた演奏によって支えられ、聴き手に届きます。どうすることもできない別れを少しずつ受け入れる――そんな歌詞が綴られています。♪あの時くれた言葉はそっと 本音じゃないことにしておくね♪という言葉が印象に残りました。切々と言葉を編み上げる歌い方に強く惹かれます。