藍井エイル「ツナガルオモイ」:想いをストレートに届ける歌声、ダイナミックに展開するバンドの音
藍井エイルの「ツナガルオモイ」は詞曲ともにエイル自身が手掛け、2014年にシングルとしてリリースされた曲です。翌2015年に発表した三枚目のアルバム『D’AZUR』に収録されました。力強くてストレートに届く歌声でエイルが歌う♪ツナガルオモイ 映し出した新しい世界♪というフレーズから曲が始まります。AメロとBメロで溜めたエネルギーをサビに入ってから解放、爆発させ、聴き手の心も一緒に解き放つボーカルです。
歌声のプレゼンスをさらに膨らませるのが、高密度のバンド・サウンドです。開放的なギターのリフを中心に据えたアレンジですが、ギターに負けじとベースとドラムが主張し、聴く人の身体に音を刻みます。特に間奏で聴けるドラミングがリズミカルで格好良くて、その魅力の虜になりました。それだけに、音が抜けてボーカルだけが響く瞬間は、歌声が一際輝いています。
ミュージック・ビデオに映るのは、バンドに囲まれてエイルが歌う姿。エイルは裾の長い、赤と黒が描くタータンチェックのシャツに、黒いジャケットを重ねます。黒く染まった背景の中で躍動する赤は、ダイナミックに展開する曲を反映しているかのようです。
2016年の活動休止前のライブLast Blueと2018年の復活ライブRE BLUEで演奏され、正反対のシチュエーションで「ツナガルオモイ」を聴く機会を得ました。同じアレンジにもかかわらず、異なる印象を受けたことを覚えています。想いはずっとつながっている、再び想いはつながる。視点を変えると違う捉え方ができる曲名と歌詞です。